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イベント
EAESP参加レポート 報告者:菅さやか
15th General Meeting of the European Association of Experimental Scial Psychology に行ってきました!
Thematic Paper Session (口頭発表)
Minoru Karasawa & Yuko Yoshinari Causal attribution, language use, and perception of responsibility: A Japansese cases of linguistic infuluence on judgement.
Poster Session (ポスター発表)
Nobuko Asai & Minoru Karasawa Coping strategies against discrimination.
Sayaka Suga & Minoru Karasawa Effects of language abstraction on stereotypical impression formation.
感想
唐沢先生は4回目(?)、私と浅井さんは初めてのEAESPに行ってまいりました(6月10日~14日)。 学会が開催されたのは、クロアチア共和国のオパティヤ(Opatija)という街でした。オパティヤは、リ ゾート地として有名な場所で、海岸沿いにホテルが立ち並ぶ、きれいな街です。
学会には、ヨーロッパを中心として、北米やアジア、オーストラリアなどからも多くの研究者が 参加していました。EAESPの特徴と言えば、何と言っても社会的アイデンティティー理論(Tajfel & Turner, 1979) に関する研究発表が多いということ。Tajfelは、EAESPの発展にも大きく寄与してきた人物であり、彼が ヨーロッパの社会心理学会に与えた影響は計り知れません。また、ヨーロッパの歴史的な背景のためか、 社会的アイデンティティー理論に基づいた集団間葛藤の研究が多く実施されているようでした。
それから、「言語」と「コミュニケーション」に関する研究が多く発表されているのもEAESPの特徴で はないでしょうか。もちろんこれは、言語カテゴリー・モデルの提唱者であるGun SeminとKlaus Fiedler がそれぞれオランダとドイツにいるからでしょう。また、言語カテゴリー・モデルに基づいて多くの研究を している我らの共同研究者Anne Maassの影響もあるでしょう。(ちなみに、Anneと彼女の学生とは、学会の ランチの時間を利用して、リサーチミーティングを行なってきました。言語と文化に関する新たな研究の 可能性を求めて、お互いにアイディアを出し合ってきました。)
EAESPに参加してみて、ヨーロッパの研究者の多くが、「アメリカの研究に追いつけ、追い越せ」という 意識だけでなく、いかにして彼ら自身のオリジナリティーを出した研究を進めていくかということに対して、非常 に高い意識を持っているような気がしました。そういった姿勢は、我々も多いに見習うべきだと感じました。
唐沢ゼミのメンバーの関心と重なるテーマの発表が多く、非常に充実した学会だったと思います。3年後 の開催が今から楽しみです。