SPSP2011体験記 報告者 塚本早織 | 名古屋大学情報学研究科 心理学講座 唐沢研究室

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SPSP2011体験記 報告者 塚本早織

テキサス州のサン・アントニオで開催されたThe Society for Personality and Social Psychology (SPSP) 第12回大会に参加してきました。幸運にも私の今回の渡航は、日本社会心理学会から大学院生海外学会発表支援による渡航費補助を受けることができ、実現しました。おかげで3日間の充実した経験をさせてもらうことができました。

SPSPでは、メインカンファレンスの前哨戦として、プレカンファレンスが開催されます。私は今年も前年に続きGroup Processes and Intergroup Relations(GPIR) というセッションに参加し、この分野における著名な研究者の講演を聞いたり、ポスター発表を行ったりしました。GPIRで議論されたのは、「他集団に所属する他者とどのように友好的な関係を築けるのか」、「集団に関する認知を変化させるにはどのような手法を用いるのか」などの内容でした。今回は、生理学的観点からの研究や社会学的視点に重点を置いた研究などが発表され、幅広い視野から集団認知に関する最新の動向を学ぶことができました。

 当日はアメリカ北東部が強い寒波に襲われたため、航空便の欠航などにより講演予定者が出席できないというハプニングがありました。しかし、不測の事態に適切な対処がとれるのが最前線で活躍する研究者というものです。主催者の2人が代役で発表することとなったのでした。自身の研究内容を発表するチャンスを得るためには、研究内容を常に整理し、いつでも発表可能な状態にしておくことが大切だと感じました。

 メインカンファレンスでは、多くの講演やポスター発表が同時に行われるため、自分が興味のある研究者や研究内容の発表を目指して会場を走り回ることになります。私はimplicit theoriesやmulticulturalismなどに関する発表を中心に聞いて回りました。最も関心のあるpsychological essentialismに関する研究が少なかったのが少し残念でした。

 会場となったサン・アントニオの街についても触れておきます。街の中心部を流れる川沿いはRiver Walkと呼ばれ、レストランや土産店が並びます。メキシコ料理は本場さながらの味でした(…といっても本場で味わったことはありませんが)。唐沢研のメンバーは、メキシコ料理のレストランで愉快なオーナーに絡まれながらタコスやナチョスを楽しみました。また、アメリカといえばNBA!ということで、サン・アントニオに本拠地のあるSPURSとヒューストンROCKETSの対戦を観戦しました。即席SPURSファンとなった私は、選手のしなやかなシュートに見とれ、試合中はすっかりのめりこんでしまっていました。

 来年のSPSPはサンディエゴで開催が予定されています。発展させた研究を発表できるよう、それまで研究に励むつもりです。

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