University of California, Santa Barbara 留学日記(その2)報告者:菅さやか | 名古屋大学情報学研究科 心理学講座 唐沢研究室

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University of California, Santa Barbara 留学日記(その2)報告者:菅さやか

昨年10月に日本を出発し、この3月に無事日本に帰国しました。渡米して間もなくは、英語でのコミュニケーションに自信がなく、研究を実施したり、ゼミや授業でディスカッションをすることに不安を感じていました。しかし、受入教官であるHeejung Kim先生をはじめ、多くの先生や大学院生があたたかく接してくださったおかげで、次第に緊張が解け、リラックスして発言や会話をできるようになりました。また、みなさんのサポートのおかげで、研究も順調に行うことができました。Kim先生とは、今後も引続き研究を行う予定です。
 UCSBでの滞在中、UCSBのメンバーから刺激を受けたことはたくさんありますが、中でも特に印象に残ったことをここに記しておきたいと思います。それは、David Hamilton先生の研究に対する考え方です。彼は、よく学生の研究発表に対して、「What is the underlying process?」と尋ね、学生の答えに対してさらに「Why?」という質問をたたみかけていました。彼はいつも、ある現象を研究の対象にしたとき、「その背景にある最も重要で基本的なプロセスは何か」「なぜそのプロセスが生じるのか」をよく考える姿勢を大事にしていました。研究を行っていくうえで、これは一見当たり前の考え方のように思えますが、実験とその結果「だけ」を見ていると、ついこの基本的な考え方を忘れてしまうことがあります。しかし、Hamilton先生の言葉を聞いて、私も、もう一度基本に戻って、自分の研究を見つめなおさなければならないと感じました。
 このほかにも、ゼミや授業でのディスカッションの活発さや、大学院生の頭の回転の速さ、研究の生産性の高さなど、多くのことに刺激を受けてきました。UCSBで受けたこの刺激を原動力にして、引続き日本での研究活動に精進していきたいと思います。
(2009年3月 記)

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